トレーニング 2026-09-22
アメフト ベンチプレスの記録を伸ばす方法|フォームと頻度の見直し方
「ベンチプレスの重量がしばらく変わっていない」「オフシーズンにウエイトへ比重を置いているのに記録が伸びない」という悩みは、ポジションを問わず多くの部員が一度は抱えるのではないでしょうか。ベンチプレスは大学アメフトの現場でも上半身の出力を測る代表的な種目のひとつとして扱われていますが、やみくもに重量を追いかけるだけでは記録更新につながりにくい場合があります。この記事では、記録が伸び悩んだときに見直したい基本の考え方を、一般的なトレーニング理論と安全面の両方から整理します。
ベンチプレスがアメフトで重視される理由
ベンチプレスは大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋といった、コンタクトプレーで相手を押す・止める動作に関わる筋群をまとめて鍛えられる種目とされています。オフェンスライン・ディフェンスラインをはじめ、多くのポジションでウエイトトレーニングの主要種目のひとつとして取り入れられている傾向があります。実際、複数の大学アメフト部の公式サイトでも、ウエイトトレーニングを技術練習と並ぶ柱のひとつとして紹介しており、ストレングスコーチが指導にあたるチームもあります。ただし、ベンチプレスの重量だけがプレーの強さを決めるわけではなく、あくまで身体づくりの一要素として位置づけて取り組むことが実践的です。
記録が伸び悩んだときに見直したい4つの基本
一般的なトレーニング理論では、ベンチプレスの重量が停滞する背景として「頻度が少ない」「フォームが毎回そろっていない」「補助筋の強化が不足している」「回復が追いついていない」といった共通点が挙げられています。以下の4つの視点から、自分のトレーニングを振り返ってみることをおすすめします。
1. フォームを毎回そろえる
肩甲骨を寄せて土台を安定させる、腰から下半身までしっかり支える、足で床を押す力を挙上に伝える、といった基本姿勢が毎回そろっているかどうかは、記録に影響しやすいポイントです。フォームが回ごとにばらつくと、同じ重量でも扱いにくく感じられる場合があります。特に足の使い方を見直すだけで挙上重量が変わったと紹介する記事もあり、上半身だけでなく全身の連動を意識する価値があるとされています。
2. 少しずつ負荷を増やす(漸進的過負荷)
筋力トレーニングの基本原則のひとつに「前回よりも少しずつ重い負荷を扱っていく」という漸進的過負荷の考え方があります。例えば同じ重量・回数のセットを問題なくクリアできるようになったら、次のセットから2.5kg未満の幅で重量を上げていく「マイクロローディング」という方法が紹介されています。一気に重量を上げようとするより、扱える重量を少しずつ更新していくほうが、フォームを崩さずに記録を伸ばしやすい傾向があるとされています。
3. 頻度と回数設定を見直す
週1回だけベンチプレスに取り組む場合と比べて、週2〜3回程度の頻度で取り組むほうが、フォームの定着や神経系の適応が進みやすいという考え方が複数のトレーニング解説記事で紹介されています。また、筋力そのものを高めたい場合は、8〜12回といった高回数のセットよりも、3〜5回程度を目安にした低回数・高重量のセットを組むアプローチが有効とされることがあります。毎セット限界まで追い込むのではなく、フォームが崩れない範囲で「あと1回できるかもしれない」という余力を残す設定のほうが、継続的に伸ばしやすいという考え方もあります。
4. 肩・三頭筋などの補助筋を強化する
ベンチプレスは胸の種目と捉えられがちですが、挙上の後半で詰まりを感じる場合、肩(三角筋前部)や上腕三頭筋の力が不足していることが一因になっている場合があります。ダンベルプレスやディップスといった補助種目を取り入れることで、押す力全体の底上げにつながるとされています。あわせて、筋肉はトレーニング中ではなく休息中に回復・成長するとされているため、十分なたんぱく質の摂取や睡眠時間の確保も、記録更新を支える土台として欠かせません。
安全に取り組むための注意点
ベンチプレスは高重量を胸の上で扱う種目のため、潰れてしまった際の安全対策を軽視しないことが重要です。パワーラックやベンチプレスラックを使う場合は、バーを胸に下ろした位置よりやや低い高さにセーフティバーを設定し、挙上できなくなったときにバーをそこへ預けられるようにしておく方法が紹介されています。一人で高重量に挑戦する際は特に、セーフティバーの設定を怠らないこと、可能であれば補助者(スポッター)に付いてもらうことが、事故を防ぐ基本的な対策になります。大学の部活動でウエイトルームを使う場合も、フォームや重量設定についてトレーナーやコーチに確認しながら進めることが安全面でも有効です。
NFLスカウティングコンバインに見るベンチプレスの記録
ベンチプレスの「記録」というと、NFLスカウティングコンバインで行われる測定が参考になります。この測定は最大挙上重量を競うものではなく、225ポンド(約102kg)のバーベルを何回反復して挙げられるかを測る形式です。歴代の記録としては、1999年にJustin Ernest選手が記録した51回が最高記録として知られており、2011年にはStephen Paea選手が49回を記録しています(Wikipedia「NFLスカウティングコンバイン」)。コンバインでこの種目において40回以上を記録した選手はごく限られているとされ、反復回数を測る形式の測定でも高い水準に到達するのは容易ではないことがうかがえます。大学生の段階でこうした数値をそのまま目標にする必要はありませんが、「重量」だけでなく「反復回数」という切り口で自分の筋持久力を測ってみるのも、記録の伸びを実感する一つの方法になります。
オフシーズンのウエイト強化と年間スケジュール
大学アメフトは春季オープン戦と秋季リーグ戦という年間サイクルで動いており、シーズン中よりもオフシーズンのほうがウエイトトレーニングに比重を置きやすい時期とされています。関東学生アメフト(TOP8・BIG8)の年間の流れの中でオフシーズンがいつにあたるかは、大学アメフトの1年間の流れ|シーズンカレンダーガイドでも整理しているので、ベンチプレスをはじめとするウエイトトレーニング計画を立てる際の参考にしてみてください。オフシーズンにまとまった時間を確保できる場合でも、急に頻度や重量を上げすぎるとフォームが崩れやすくなるため、計画的に負荷を積み上げていく意識が大切です。
自分の伸びを確認する視点
ベンチプレスの記録は個人差が大きく、同じ大学・同じポジションの中でも幅があるとされています。数値の比較にこだわりすぎるより、自分自身の過去の記録からどれだけ伸びたかを継続的に記録していく方法が実践的です。所属するチームやポジションでどのような基準が求められているかを知りたい場合は、関東TOP8・BIG8それぞれの記録室で公開している通算成績などのデータも、チーム全体の傾向をつかむ参考になります。
まとめ
ベンチプレスの記録が伸び悩んだときは、重量そのものを追いかける前に「フォームがそろっているか」「少しずつ負荷を増やせているか」「頻度と回数設定は適切か」「補助筋の強化と回復が足りているか」という基本を見直すことが、遠回りに見えて確実な近道になりやすい傾向があります。あわせて、セーフティバーの設定や補助者の確保といった安全対策も欠かせません。オフシーズンのトレーニング計画を立てる際の参考に、ぜひ役立ててください。
参考リンク
- NFLスカウティングコンバイン - Wikipedia
- ベンチプレスの重量が伸びない人へ|停滞を抜ける5つの基本とメニューの組み方 | Re:Glow
- ベンチプレスの記録を更新するための7つの方法 | スマートフィット100
- パワーラックやベンチプレスラックを安全にご利用いただくために | エコフィット24
本記事は、Wikipedia・Re:Glow・スマートフィット100・エコフィット24が公開している情報をもとに、編集部が構成した一般的なトレーニングガイドです。重量の伸びや練習方法の効果には個人差があり、必ずしも同じ結果が得られるとは限りません。トレーニングメニューの導入やウエイトルームの利用にあたっては、所属チームの指導者やトレーナーとも相談のうえで取り組むことをおすすめします。
この部活・競技を応援したい方へ
協賛・応援はこちらから。
取材してほしい部活を募集中
あなたの部活・チームを取材してほしい方はこちらから。
オフシーズン・引退後に、長期インターンという選択
部活で培った力を実務で試す。16タイプ診断(30秒)で合う企業がわかります。