ルール 2026-10-23
大学アメフトのルール改正2026|フェアキャッチキックなど変更点を整理
2026年の秋季リーグを観ていて、「パントボールを手から落とし、地面に着く前に蹴るキック。攻撃が進まないとき、陣地を押し返すために使う。用語辞典で見るのあとに、キャッチした地点からそのままキックを蹴るチームがいた」「いつもと違う反則罰則が決まっているルール違反。審判が旗を投げて知らせ、陣地を下げられるなどの罰がある。用語辞典で見るのコールがあった」と感じた方がいるかもしれません。アメフトの公式規則は毎年見直されており、2026年度も複数の変更があります。この記事では、日本アメリカンフットボール協会(JAFA)競技規則委員会が2026年7月7日に公表した「2026年度・公式規則変更内容・決定報」をもとに、主な変更点を整理します。
先にお断りしておくと、この決定報はJAFAの公式規則に関する発表です。決定報には「この公式規則変更は2026年秋季公式戦より適用します」と書かれています。関東学生アメリカンフットボール連盟(KCFA)のTOP8・BIG8で、大会ごとの運用や試合設備に違いがあるかどうかは、本記事の作成時点では確認できていません。細かな運用は、連盟や各チームの案内も合わせて確認してください。
2026年度の変更は大きく6つ
決定報は、変更を「主要項目」と「主な編集上の変更項目」に分けています。主要項目として挙げられているのは次の6つです。
| 項目 | 変更の内容 | 主に関わる人 |
|---|---|---|
| フェア キャッチ蹴られたボールを受ける選手が合図を出してキャッチすること。その場で止まり、相手から当たられない。用語辞典で見る キック | フェア キャッチの後に、フィールド ゴールゴールポストの間にボールを蹴り込んで得る、3点の得点。キックが成功したときだけ入る。 | キック、リターン、観戦者 |
| スクリメージ キック フォーメーション | ラインマンが5人未満のときの並びの条件が明確になった | スペシャル チーム |
| オフェンスボールを確保していて、相手のゴールを目指して攻めている側のチーム。用語辞典で見るのパス インターフェランス | 罰則が15ヤード距離の単位で、1ヤードは約0.9メートル。フィールドには5ヤードごとに線が引かれている。 | 攻撃のレシーバー、守備のDB守備の後ろ側で、相手のパスを防ぐ選手の総称。後方と外側を守る。 |
| スポーツマンらしからぬ行為 | 反則となる行為が3つの条文で整理され、自動的に反則となる例が示された | 全選手、コーチ |
| ヘッド コーチのチャレンジ | 1試合2回に加え、条件付きで3回目が認められる | ヘッドコーチ、分析担当 |
| 残り2分後のビデオ レビュー | プレー クロックの扱いに例外が加わった | 全員 |
ここからは、現場の影響が大きい順に、1つずつ説明します。
フェア キャッチ キックが新設された
今回の変更のなかで、観戦していて最も目に留まりやすいのがフェア キャッチ キックです。
変更前と変更後
従来、フェア キャッチ キックに関する規定はありませんでした。スクリメージ キック(パントなど)またはフリー キック(キックオフ試合開始やタッチダウンの後などに、ボールを蹴って始めるプレー。蹴る側は自陣35ヤードから蹴る。用語辞典で見るなど)のフェア キャッチの後は、ボールをキャッチした地点から、レシーブ チームのスナッププレー開始の動作。地面に置いたボールを、攻撃側の選手が後ろへ渡す。
用語辞典で見るでプレーを始めるという規定だけでした。
2026年度からは、フェア キャッチの後に、レシーブ チームが次のどちらかを選べます。
- 従来どおり、スナップでプレーを始める。
- フェア キャッチ キックとして、フィールド ゴールの試みを行う。
どんなキックなのか
決定報の記載によると、フェア キャッチ キックは、フェア キャッチの地点(または罰則を施行した後の地点)から、次のいずれかの方法で蹴ります。
- ホルダーを用いたフィールド ゴールのプレース キック(ティーは使わない)
- ドロップ キック
キックがクロスバーを越えて2本のアップライトの間を通れば、フィールド ゴールの得点として認められ、キックしたチームに3点が与えられます。守備側は、ボールが蹴られるまで、スクリメージ ラインプレー開始時にボールの先端を通る、サイドラインに直角の線。攻守が向かい合う境目になる。用語辞典で見るから少なくとも10ヤード後方にいなければなりません。
選ぶときの手続き
選択には細かい決まりがあります。決定報と公式規則解説書の記載から、主なものを挙げます。
- 選択は、デッド ボールがレディ フォー プレーに移される前に、ヘッド コーチが行います。一度した決定は変更できません。
- レディ フォー プレーとなった後では、選択できません。解説書の事例では、パントの後の最初のレディ フォー プレーを過ぎると、あとから選ぶことはできないと説明されています。
- サイド ゾーンでキャッチした場合は、ボールは最も近いハッシュ マークフィールドの中央寄りに2列並ぶ短い線。プレーは必ずこの線の上か、線の間から始める。
用語辞典で見るに移されます。
- プレー クロックは25秒にセットされ、ゲーム クロックはボールが正当に蹴られた時点で動き始めます。
- 前半または後半が終わる場面でフェア キャッチが起きた場合は、計時しないダウン攻撃1回分のこと。ボールが動き出してから止まるまでが1回で、攻撃側は4回まで続けて行える。
用語辞典で見るとしてフェア キャッチ キックを行えます。
- キックが失敗した場合は、スクリメージ キックに関する規則と、失敗したフィールド ゴールの後の次のプレーに関する規定が適用されます。
つまり、パントやキックオフを返す側は、「キャッチして終わり」ではなく、「キックが届く距離なら、そのまま得点を狙う」という選択肢を持つことになります。何ヤードの距離から蹴れるか、どの場面で選ぶかは、キッカーの飛距離や試合状況によって変わります。どのチームが実際にどう使うかは、本記事の時点ではまだ確かなことが言えないので、試合ごとの結果を観て確かめてください。
選手と観戦者が知っておきたいこと
- キッカーやホルダーは、ティーなしのプレース キックまたはドロップ キックの練習が必要になる場合があります。キッカーの練習の全体像はキッカー・パンターの練習法にまとめています。
- パントを蹴る側にとっては、フェア キャッチをされた後の位置が得点圏にならないよう、距離と滞空時間の組み合わせが意識されるようになるかもしれません。これは編集部の見立てで、規則に書かれていることではありません。
- キックの種類や役割はスペシャル チームの役割で解説しています。
スクリメージ キック フォーメーションの条件が変わった
次に、キックの場面の隊形に関する変更です。
従来は、スクリメージ キックの隊形のとき、背番号50〜79のラインマンが5人未満でも、一定の条件を満たせば正当な隊形として認められていました。また、ラインの端に立つ50〜79以外の番号の選手は、常に有資格レシーバーとされていました。
2026年度からは、スクリメージ キック フォーメーションで50〜79番のラインマンが5人未満のとき、次の条件が加わります。
- スナッパーと、その両側の2人ずつ、合計5人のラインマンを、タックルボールを持つ相手を、体を使って止めること。攻撃のラインの端に立つ選手の呼び名でもある。用語辞典で見る ボックスの中(またはタックル ボックスに触れる位置)に置く。いわゆる「2×2」のフォーメーションです。
- この5人は、50〜79以外の背番号でも、背番号の規則の例外となり、無資格レシーバーとなる。
- 一度この例外として確立された選手は、他の位置へ移動したりシフトしたりしてはならない。
公式規則解説書には、この条件を満たさない例が複数載っています。たとえば、スナッパーの左に3人、右に1人を置く「3×1」の並びは、スナップ時に不正なフォーメーションの反則になります。また、2×2の5人のうち1人をスクリメージ ラインから1ヤード後方に下げた場合も、不正なフォーメーションです。
スペシャル チームに入る部員は、背番号と並びの組み合わせを事前に確認しておくと、試合中の反則を減らしやすくなります。背番号の規則そのものについては、チームの指導者に確認してください。
オフェンスのパス インターフェランスは10ヤードに
従来、オフェンスのパス インターフェランスの罰則は、プレビアス スポットから15ヤードと規定されていました。2026年度からは、プレビアス スポットから10ヤードになります。決定報には「ディフェンスボールを持たず、相手の攻撃を止める側のチーム。相手に進ませず、ボールを奪うことも目指す。用語辞典で見るのパス インターフェランスの罰則に関する変更はない」と明記されています。
この反則は、パスの前後に攻撃側の選手が守備側の選手の動きを妨げた場合などに適用されます。解説書には、たとえばフォワード パスがニュートラル ゾーン攻守それぞれの線にはさまれた、ボールの長さぶんの空間。プレー開始の瞬間、守備側は入れない。用語辞典で見るを越えた場合に、レシーバーが相手を両手で押したときの例や、パスをキャッチしようとしない攻撃側の選手がダウンフィールドでブロックしたときの例が、いずれも10ヤードの罰則として載っています。
罰則が15ヤードから10ヤードに軽くなっただけで、反則そのものがなくなったわけではありません。反則の種類と罰則の全体像は反則一覧で扱っています。
スポーツマンらしからぬ行為の条文が整理された
スポーツマンらしからぬ行為は、従来は考え方と具体例が、禁止される行為として例示されていました。2026年度からは、反則となる行為が3つの条文で整理されています。
- 秩序ある試合運営を妨げる行為
- 相手に向けられた侮辱行為
- 試合または相手の品位を落とすような虐待的、脅迫的、卑わいな、あるいは過度な歓喜の行為
そのうえで、次のような行為は自動的にスポーツマンらしからぬ行為の反則になる、と例示されました。
- 発砲を真似ること、武器刀剣を振りかざすこと
- 喉を切る動作や、鼻の下をこする動作
- ボール デッド後に、プレーヤーがヘルメットを脱ぐこと(各種タイムアウトと装具の調整の際は除く)
- 明らかにボールがデッドになった後、押す、払いのける、打撃を与えるなど、フットボールの行為ではないデッド ボール中の接触をすること
- ボール デッド後に、パイルから離すために相手を激しく押したり引いたりすること
罰則は15ヤードで、ひどい反則者が選手の場合は退場になります。解説書には、1試合で同じ選手がスポーツマンらしからぬ行為の反則をもう一度犯すと退場になる旨の記載もあります。
ヘルメットを脱ぐ行為は、感情が高ぶった場面で起きやすいと考えられます。試合後半の接触で熱くなる前に、チーム全体で共有しておくとよいルールです。
ヘッド コーチのチャレンジと、ビデオ レビューの変更
リプレー検証に関する変更は、リプレー・チャレンジ制度の記事で詳しく扱っています。ここでは要点だけ整理します。
- チャレンジ回数:ヘッド コーチは1試合に2回のチャレンジができ、2回のうち少なくとも1回が成功すれば3回目が認められます。チャレンジは、そのチームにチーム タイムアウトが残っている場合にのみ要求できます。従来は、1回目が成功した場合に限り2回目が認められ、最大2回でした。
- 残り2分後のレビュー:前後半残り2分を宣告するタイムアウトの後に、リプレー オフィシャルが試合を止めてレビューを行う場合、プレー クロックはその時点で中断されます。フィールド上の判定が変わらなければ、レフリーのシグナルでレディ フォー プレーとなった時点で再開します。中断時に10秒未満だった場合は10秒にセットされます。
- レビュー可能なプレーの追加:キックがグラウンドに触れた後、サイドラインフィールドの長い辺にある境界線。ボールを持った選手がここに触れるか出ると、その場でプレーが止まる。
用語辞典で見るを横切った地点が、レビューの対象になりました。
分析担当(アナライザー試合や練習の映像・データを分析し、チームに相手の情報や戦い方を伝える裏方のスタッフ。用語辞典で見る)やスタッフは、サイドラインでの映像の扱いの役割分担を、チームのヘッド コーチと確認しておくと混乱が少なくなります。仕事の全体像はアナライザーの仕事を参照してください。
見落としやすい編集上の変更
決定報には、主要項目のほかに「主な編集上の変更項目」も載っています。観戦や運営の場面で気づきやすいものを挙げます。
- プレー クロックのリセット:40秒クロックの残りが25秒以内になったとき、ボールがレディ フォー プレーになっていなければ、レフリーは片腕の手のひらを上に向けて上下させる「ポンピング シグナル」でプレー クロックを25秒にリセットします。ゲーム クロックは止めません。
- 交代の違反の罰則:Aチームが相手に不利益を与えるために急いで並ぼうとしたり、Bチームが迅速に交代しなかったりした場合、従来は2回目以降がスポーツマンらしからぬ行為の15ヤードでした。2026年度からは、2回目以降も1回目と同様にゲームの遅延の反則(5ヤード)になります。
- 予備のジャージ:従来禁止されていたファスナー付きのジャージについて、脇下の縫い目に15インチ(38cm)以下のプラスチック製ファスナーが付いた予備のジャージは認められます。
- ヘルメットの付属品:選手の安全性を高めるための付属品は、色やデザインの同一性を含む既存の要件を満たせば認められます。ヘルメットの種類と選び方はヘルメットの選び方で解説しています。
- 審判の運用基準の追加:サイドライン付近でハドルを組むときは、選手・コーチ・チーム関係者は9ヤード マークの外側のチームエリアの前にとどまる、という基準が追加されました。また、オンサイド キックやショート キックでは、キック チームの制限線を「面」として判定し、キッカーとホルダーを除く全員がキックの前にその面を破るとオフサイド守備側の選手が、プレー開始の瞬間に、ボールの位置の線を越えて入っている反則。
用語辞典で見るになる、と示されています。
2026年度の変更を試合の観方に生かす
規則を読んだだけでは、実際の試合でどう出るかがわかりにくいものです。次の3点を意識すると、変更を確かめやすくなります。
- パントやキックオフの後を見る:キャッチした地点で、レシーブ チームがキックの隊形を作るかどうか。作るなら、これがフェア キャッチ キックです。
- パスの反則のヤード数を見る:オフェンスのパス インターフェランスのときに、10ヤードの罰則が告げられているか。
- 残り2分後のレビューを見る:試合を止めて確認するとき、プレー クロックがどう動くか。
TOP8・BIG8の試合は、TOP8の日程・結果やBIG8の日程・結果から確認できます。各チームの得点力や失点の傾向は、TOP8の順位表やBIG8の順位表、TOP8の記録室で確認できます。気になるチームがあれば、TOP8のチーム一覧、BIG8のチーム一覧からチームページを開けます。
リーグの仕組みはTOP8・BIG8とはに、タイブレーク同点で終わった試合に勝敗をつける延長戦。決まった地点から両チームが1回ずつ攻撃する。用語辞典で見るの運用はタイブレークのルールにまとめています。試合時間やダウン制の基本は大学アメフトの試合時間とルール入門を参考にしてください。
規則の正本を確認するときのポイント
規則は毎年見直されるため、記事や口頭の説明だけで判断せず、正本を確認する習慣をつけておくと安心です。
- JAFAのルールのページに、公式規則書、決定報、予定報が掲載されています。
- 決定報には、変更前(従来)と変更後(本年より)が並べて書かれており、条文番号(篇-章-条)も示されています。
- 公式規則解説書の事例(A.R.)には、実際の場面を想定した判定の例が載っています。たとえばフェア キャッチ キックの事例は2-16-11、キック隊形の事例は7-1-4にまとめられています。
- 判断に迷う場面は、チームの指導者に確認し、必要に応じて審判員に尋ねる流れが基本です。
まとめ
- JAFAは2026年7月7日付で2026年度の公式規則変更を決定し、2026年秋季公式戦から適用するとしています。
- フェア キャッチの後に、フェア キャッチ キック(ティーなしのプレース キックまたはドロップ キック)を選べるようになりました。成功すれば3点です。
- スクリメージ キック フォーメーションで50〜79番のラインマンが5人未満のときは、2×2の並びなどの条件が必要になりました。
- オフェンスのパス インターフェランスの罰則は、15ヤードから10ヤードになりました。
- スポーツマンらしからぬ行為は3つの条文に整理され、自動的に反則となる行為が例示されました。
- ヘッド コーチのチャレンジは、条件付きで最大3回になり、残り2分後のレビューではプレー クロックの扱いが変わりました。
- KCFA TOP8・BIG8での個別の運用は確認できていないため、連盟やチームの案内も合わせて確認してください。
出典
- 日本アメリカンフットボール協会 ルールのページ(公式規則書 2026〜27年度版、決定報、予定報の掲載ページ)
- 日本アメリカンフットボール協会 2026年度・公式規則変更内容・決定報(2026年7月7日、PDF)(フェア キャッチ キック、スクリメージ キック フォーメーション、パス インターフェランス、スポーツマンらしからぬ行為、チャレンジ、編集上の変更、解説書の事例)
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